ある休日の夕食時のこと、父、太郎が新聞はどこか? と聞いた。
祖母、布希が、郵便受けから持ってきたから、いつものところにあるよ、といった。いつものところとは、居間のベッドの上なのだけれども、わたしが見たけれども、なかった。太郎は、昨日までの新聞を入れる古新聞入れの紙袋の一番上を見てみたが、それは、昨日の新聞だった。
それなら、玄関の靴箱の上に置いたままだったかなあと、祖母がいうので、今度は、父が見に行った。戻ってきた父はなかったといった。
それなら、わたしのへやかなあ、と祖母がいいみたが、なかった。それから、周辺を探してみたけれど、新聞はなかった。
今日の新聞の紛失事件の発生である。
そこから、事件は迷宮入りの様相を呈するのかと思いきや、父が、わかったといい、行動に移った。
古新聞入れの昨日の新聞を取り上げ、次に、広告の紙を取り出し、さらに、その下の新聞を取り出した。
その新聞は、今日の新聞であったのである。
以上が、今日の新聞紛失事件の顛末である。
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